ホールをまるごと楽しもう—— #いずみオープンハウスへようこそ!

ホールをまるごと楽しもう—— #いずみオープンハウスへようこそ!

2023.03.23 オープンハウス

オープンハウス

いずみホール オープンハウスのご案内

日時:2023年 4月8日(土)11:00〜17:00【入場無料】

「4月にうちでオープンハウスをやるんだけど来ませんか?」

住友生命いずみホール広報の北嶋さんから、そんなお誘いをもらったのは1月の半ばのこと。行きますっ!と元気よく答えたものの、はて、オープンハウスとは?と思い直し、これは先にお話ををうかがわねばと考えて出かけてみた。

北嶋さん、ホールのオープンハウスって、どんなことするんですか?

「はい、4月8日土曜日の午前11時から午後5時まで住友生命いずみホールを開放して、ホールの内観やいろんな設備をお客さまに観ていただきます。順路を作ってパネルをおいて、まずはそうしたものをちょっと美術展に来たみたいな感覚で観てもらえれば」

なるほど、住友生命いずみホールは1990年4月に開館した32年の歴史あるホール。さまざまな名演の記録などもあるに違いない。それらを眺めながら歩いてみれば、ホールの中というのは意外に広くて迷路のようでもあり、コンサートなんかとも違った非日常の空気が感じられるかも知れない。また順路の中にはアーティストたちの控室もあるから、彼らがそこからどんな風にステージに出ていくのか、その足取りを体験してみるのも楽しい。

ピアノ庫にはチェンバロとフォルテピアノ。こうした歴史楽器を間近で見られるのも貴重な体験だ。そしてステージの上には数々の名演を生んだ4台のピアノ、2台のスタインウェイとヤマハ、ベーゼンドルファーが置かれるという。当日は写真撮影も自由(コンサートを除く)だから、こうした楽器の数々と一緒にステージ上でカメラに映る、なんてこともできる。何よりステージから客席を見るなんて機会はめったにないし、8つのシャンデリアに照らされた客席を視界に収めつつ、ホールの景観、美しさをたっぷりと味わうことができるだろう。

「スマホなどで撮った写真は、ハッシュタグ#いずみオープンハウスをつけてどんどん拡散していただき、私たちのオープンハウスをぜひお客さまにも盛り上げてほしい」と北嶋さん。

さて今回の目玉と言えそうなのがパイプオルガンの見学だが、これにはちょっと注意が必要だ。ステージ上部に重厚な存在感を示すオルガン見学ツアーは当日の申込制。1回20名さまのツアーが2回だから、ぜひ早めに申し込んでほしい。さらに住友生命いずみホールゆかりの演奏家たちによるミニ・コンサートが、室内楽2回とオルガン2回の4回行われる。このあたりは館内見学と時間を合わせて楽しむのが正解だ。

【出演者】
佐藤一紀(ヴァイオリン)、碇山典子(ピアノ) 山司恵莉子、塩澤真輝(パイプオルガン)

【曲目】
◎パイプオルガン◎
J.S.バッハ:《前奏曲とフーガ ト長調》BWV 541
ヴィヴァルディ:《春》より第1楽章
ルフェビュール=ヴェリ:《演奏会用ボレロ》
J.A.ギラン:《マニフィカトのためのオルガン曲集 – 第二旋法の組曲》より〈ティエルス・アン・タイユ〉
メシアン:《栄光に輝く御体-復活したる者の7つの短い幻影》より第6曲〈栄光の御体の喜びと透明さ〉
グリーグ:《春に寄す》
ヴィエルヌ:《ウェストミンスターの鐘》

演奏:山司恵莉子、塩澤真輝(ミシェル・ブヴァール・マスタークラス受講生から選抜)

◎室内楽◎
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第五番『スプリング』
グリーグ:春に寄す〈pfソロ〉
シューマン (リスト編曲): 春の夜〈pfソロ〉
ダリウス・ミヨー:春  ほか

演奏:佐藤一紀(ヴァイオリン)、 碇山典子(ピアノ)

※コンサートの内容は2回とも同じです。
※内容は変更される場合がございます。



「クラシック音楽のホールって、どうしてもちょっとお堅いイメージで捉えられるんですよね。でもそうじゃなくて、ホールってすごく面白いところだよっていうところを感じてもらいたい。そしてたくさんの人にホールのファンになってもらいたい。そんな気持ちを込めたオープンハウスです」。北嶋さんはそう語っている。

住友生命いずみホールがあるのは緑の豊かな大阪城公園や、おいしいお店の並ぶ京橋にもほど近い場所。春の風が心地良い4月のはじめに、たっぷりとオープンハウスを楽しんで、散歩して、食事をして帰る。そんな1日の過ごし方が頭に浮かんで来た。

4/8(土)ホールの開館記念日に「オープンハウス」を開催!詳しくはこちら

ジュピター199号掲載記事(2023年3月15日発行)

プロフィール

音楽ライター

逢坂 聖也(おおさか・せいや)

大阪芸術大学卒業後、大手情報誌に勤務。映画を皮切りに音楽、演劇などの記事の執筆、配信を行う。2010年頃からクラシック音楽を中心とした執筆活動を開始。現在はフリーランスとして「音楽の友」「ぴあ」「関西音楽新聞」などのメディアに執筆するほか、ホールや各種演奏団体の会報誌に寄稿している。大阪府在住。