いずみシンフォニエッタ大阪 第52回定期演奏会
スペインの風景ー庭から望む森

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日時 2024年7月13日(土)
開場 15:15   プレコンサート15:30  プレトーク15:45
開演 16:00
出演者 飯森範親(指揮)
萩原麻未(ピアノ)
福川伸陽(ホルン)
いずみシンフォニエッタ大阪
演奏曲目 I.アルベニス(I.Dobrinescu編):スペイン組曲より “アストゥリアス”
E.グラナドス(J.Choe編):12のスペイン舞曲集 op.37 【弦楽合奏版】より
 第3曲 ファンダンゴ/第5曲 アンダルーサ/第9曲 マズルカ ロマンティカ
M.ファリャ(川島素晴編):スペインの庭の夜
J.ロドリーゴ:ある庭園のための音楽[日本初演]
B.カサブランカス:・・・ 灰色の森が彼の下で揺れ動く(ホルンと室内管弦楽のための室内協奏曲 第2番)
料金 一般 ¥5,500
U-30 ¥1,000
フレンズ ¥4,950
第52回+第53回 定期演奏会2公演セット券 ¥9,000[フレンズ¥8,100]

当公演は電子チケット引取サービス 【チケットれすQ】をご利用いただけます。
手数料なしで、お手持ちのスマートフォン、タブレットからQRの受取、入場が可能です。
発売日 フレンズ:2024年1月26日(金)10:30 / 一般:2024年2月2日(金)10:30
お問合わせ 住友生命いずみホールチケットセンター 06-6944-1188

当日券については、主催者にお問合せください。

スペイン、彩りの彼方へ

美しき庭園、時を超える幻想‥‥
色彩の薫りたつ名曲から、雄渾壮大な飛翔まで
自然を深く呼吸する音の旅

自然の薫りと、深い感性のまじわるところに、美しい響きが生まれる――色ゆたかなスペイン各地の幻想美から、さらに遙かに! 大阪と世界をつなぐ室内オーケストラ〈いずみシンフォニエッタ大阪〉は、新しい世界を拓く現代の音楽を、生き生きと豊かに(面白く!)響かせるエキサイティングな楽団です。その52回目の定期演奏会、テーマは〈スペイン〉。情熱のリズムと哀愁の情感には、中世から東方の洗練されたイスラーム文化を受け容れてきた、遙かな歴史も響きます。
スペイン音楽の名曲から現代の傑作までお届けする今回、隠れたテーマは〈自然を深く呼吸する音楽〉とでも言いましょうか。ちょっと内容をご紹介しましょう。

まずは、スペイン各地の豊かな民族音楽を熱く多彩なピアノ曲の数々に昇華させたイサーク・アルベニス(1860~1909)の作品から、大人気の《アストゥリアス(伝説)》(ピアノ曲集《スペイン組曲》第1集より)を。ほの暗くも情熱的な昂揚をみせるギターをピアノで見事に模したこの原曲から、現代ルーマニアの作曲家イオアン・ドブリネスク(1960~)が編曲したヴァージョンは、心ざわめかせる力の波のなかにも、室内オーケストラならではの細やかな色彩感が薫りたちます。併せて、アルベニスのちょっと先輩にあたるエンリケ・グラナドス(1867~1916)のピアノ曲から編曲されたものもお届けする予定ですのでお楽しみに!

マヌエル・デ・ファリャ(1876~1946)の名品、交響的印象《スペインの庭の夜》(1915年)でさらなる音の旅へ。独奏ピアノと管弦楽で描かれる全3楽章、まずはアルハンブラ宮殿のそばに建つ夏の別荘、豪奢なイスラーム建築と美しい庭園の映えるヘネラリーフェの光景から。花々の香りと夢想を紡ぎ織ると‥‥遠くから舞踊の幻想が近づき、明るさと妖しさのまじわる音楽へ。そしてイスラーム統治時代の首都だったコルドバ、丘に広がる宮殿跡の庭園を描く終楽章でも、異国情緒と民族音楽のリズムとが時を超えて幻想的に交差します。――3管編成の原曲から、鬼才作曲家・川島素晴(1972~)がピアノと室内オーケストラのために新たな編曲をつくります。限られた楽器編成だからこその、際立つもの‥‥この曲でピアノ独奏に迎える若き名手・萩原麻未は(ファリャが青春時代に学んだ)フランスでも研鑽を積み、明晰な色彩感としなやかな表現力で人気を博するピアニスト。ファリャ作品の繊細な彩りから強い輝きまで、深く響かせきってくれるでしょう!

スペインといえば‥‥ホアキン・ロドリーゴ(1901~99)がマドリードにある広々と自然豊かなブエン・レティーロ公園の四季を描いた《ある庭園のための音楽》(1957年)も素敵なひととき。園内の森や池も冷え冷えと雪に覆われた冬景色から、彫刻やバラ園にも色が満ち咲いて鳥たちも人々も遊ぶ春、暑さに噴水もしなだれる夏の日差し、落葉が降りつもる秋の深まり‥‥。四季のうつろいを子守歌のような美しいメロディも豊かに描く佳品です。

そして、カタルーニャ現代音楽の旗手として世界的に活躍するベネト・カサブランカス(1956~)は、日本でもN響や東京シンフォニエッタなど有力団体が作品を紹介してきた作曲家。現代音楽の多彩な語法を自在に駆使しつつ、細部まで彫琢された鋭敏な響きから、劇的な時間を豊かに繰り広げてみせるカサブランカスの〈語り上手〉ぶりは、2011年に書かれた《‥‥灰色の森が彼の下で揺れ動く》(ホルンと室内管弦楽のための室内協奏曲第2番)でも存分に味わえます。
不思議なタイトルは、19世紀ドイツの作家ビューヒナーの短編小説『レンツ』(岩波文庫ほか邦訳あり)の冒頭で、心の闇に呑まれてゆく若者が大自然の中を彷徨する場面の一文に拠るもの。自然と精神が激しく斬り結び、高く飛翔するような緊迫と幻想から想を得たカサブランカスの音楽は、雄渾なホルン独奏と室内オーケストラの葛藤が聴き手を深く惹き込んでゆく素晴らしいものです。――日本を代表するスーパー・ホルニスト、超絶技巧の翼を美しく広げる名手・福川伸陽をソロに迎えた演奏で、幻想の旅のクライマックスへ! 熟練を深めてなお冴える常任指揮者・飯森範親と凄腕メンバーたちとの饗宴、スペインから心の彼方へ翔んでゆく音の旅を、ぜひご一緒に。

山野雄大[ライター(音楽・舞踊評論)]

いずみシンフォニエッタ大阪サポーター2024

第52回+第53回 定期演奏会2公演セット券
一般¥9,000
フレンズ¥8,100

第53回定期演奏会 五大陸を巡るシン音楽漫遊記
2025年2月15日(土)16時開演

飯森範親(指揮)
古部賢一(オーボエ)
東口泰之(ファゴット)

ヴィラ=ロボス:ファゴットと弦楽合奏のための7つの音のロンド
カール・ヴァイン:オーボエ協奏曲
マイケル・ブレイク:クウェラ
室元拓人:委嘱新作(関西出身若手作曲家プロジェクト第10弾) 他

サポーター特典については▼こちらのサポーターのページをご覧ください。
https://www.izumihall.jp/sinfonietta/supporter

ユースシートにご招待(限定数・先着順)

この公演に小学生から18歳以下の方をご招待します。住友生命いずみホールで音楽を聴いてみませんか。

《対象》小学生以上 18歳以下(公演当日、氏名・年齢を確認できるものをご持参ください)
《申込開始》一般発売日(2/2)10:30よりメールで受付
《締め切り》公演前日の17時まで(定員に達した時点で締め切り)

ユースシートについての詳細、申込方法等はこちらのユースシートのページをご覧ください。

【限定数/先着】30歳以下のお客様へ特別価格・U-30チケット

小学生以上、公演開催月に31歳の誕生日を迎えられる方までが対象です。U-30チケットはオンライン・チケットサービスのみでの販売です。ご購入方法や条件など詳細は【こちらのページ】も併せてご覧ください。

□当日、生年月日を確認できる証明書を必ずご持参ください。お忘れの場合追加料金が発生します。ご了承ください。
□予定枚数に達した時点で販売終了いたします。
□窓口販売・電話予約の受付はございません。

出演者プロフィール

  • Ⓒ山岸伸

    飯森範親(指揮) Norichika limori, Conductor

    桐朋学園大学指揮科卒業。いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者。ベルリン、ミュンヘンで研鑽を積み、これまでにフランクフルト放送響、ケルン放送響、チェコ・フィル、モスクワ放送響等に客演。01年、ドイツ・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団音楽総監督(GMD)に着任し、ベートーヴェンの交響曲全集を録音するとともに、日本ツアーを成功に導いた。
    国内では94年以来、東京交響楽団と密接な関係を続け、専属指揮者、正指揮者、特別客演指揮者を歴任。03年、NHK交響楽団定期演奏会にマーラーの交響曲第1番でデビュー。06年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞、07年より山形交響楽団音楽監督に就任し、そのエネルギッシュな活動は高い評価を受けている。
    現在、パシフィックフィルハーモニア東京音楽監督、日本センチュリー交響楽団首席指揮者、山形交響楽団桂冠指揮者、東京佼成ウインドオーケストラ首席客演指揮者、群馬交響楽団常任指揮者、中部フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者。
    オフィシャルホームページ http://iimori-norichika.com/

  • ⒸMarco Borggreve

    萩原麻未(ピアノ) Mami Hagiwara, Piano

    2010年第65回ジュネーヴ国際コンクール〈ピアノ部門〉において、日本人として初めて優勝。第27回パルマドーロ国際コンクールにて史上最年少の13歳で第1位。文化庁海外新進芸術家派遣員としてフランスに留学。現在、日本、フランスを中心に、スイス、ドイツ、イタリア、ベネズエラ、ベトナムなどでソリスト、室内楽奏者として演奏活動を続けている。これまでに、国内主要オーケストラのほか、スイス・ロマンド管、フランス国立ロワール管、南西ドイツ放送響などとも共演を重ねているほか、フランスのラ・ロック・ダンテロン等の様々な音楽祭にも招かれている。
    広島市民賞、第22回新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞、第22回出光音楽賞、第46回東燃ゼネラル音楽賞(奨励賞)など多数受賞。

  • 福川伸陽(ホルン) Nobuaki Fukukawa, Horn

    世界的に活躍している音楽家の一人。NHK交響楽団首席奏者としてオーケストラ界にも貢献した。ソリストとして、NHK交響楽団、バドヴァ・ヴェネト管弦楽団、京都市交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、横浜シンフォニエッタ他と共演。ロンドンのウィグモアホールをはじめ、ロサンゼルスやブラジル、アジア各国でリサイタルをするなど、世界各地から数多く招かれており、「la Biennale di Venezia」「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」「東京・春・音楽祭」などをはじめとする音楽祭にもソリスト・室内楽奏者として出演を重ねる。東京音楽大学准教授、国際ホルン協会評議員。

いずみシンフォニエッタ大阪

いずみシンフォニエッタ大阪

©︎樋川 智昭

音楽監督:西村 朗/常任指揮者:飯森 範親
プログラム・アドバイザー:川島素晴/ソロ・コンサートマスター:小栗まち絵
現代音楽の演奏を主目的とする、住友生命いずみホールのレジデント・オーケストラ。
大阪出身の作曲家・西村 朗の提唱により2000年に結成。以来、同ホールでの定期演奏会を主な活動とし、新作の初演をはじめとする近現代作品を中心に、古典派の作品もプログラムに組み、レパートリーを拡大している。核となる編成は1管編成の室内オーケストラで、曲目に応じて変動する。メンバーは、関西在住または出身など、地元にゆかりの演奏家で構成されている。平成13年度大阪舞台芸術賞受賞。
CD「西村朗:室内交響曲集<メタモルフォーシス>」(カメラータ)の演奏は好評を博し、2005年度芸術祭優秀賞を受賞した。2005年、2008年と紀尾井ホールにて東京公演を開催し、好評を博した。

第52回定期演奏会の出演予定者

◆ヴァイオリン:小栗まち絵/大谷玲子/永ノ尾文江/佐藤一紀/島田真千子/高木和弘/谷本華子
◆ヴィオラ:増永雄記/馬渕昌子
◆チェロ:林裕/丸山泰雄
◆コントラバス:黒川冬貴
◆フルート:安藤史子/森本英希
◆オーボエ:古部賢一/大島弥州夫
◆クラリネット:小谷口直子
◆ファゴット:東口泰之
◆ホルン:調整中
◆トランペット:辻本憲一
◆トロンボーン:呉信一
◆打楽器:森本瑞生/中山美輝
◆ハーブ:福井麻衣
◆ピアノ:碇山典子 ほか

主催

住友生命いずみホール〔一般財団法人 住友生命福祉文化財団〕

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