新・音楽の未来への旅シリーズ
いずみシンフォニエッタ大阪 第51回定期演奏会
「和洋感応 —愉悦の流域」

※画像をクリックしていただくと、拡大でご覧いただけます。

日時 2024年2月10日(土)
開場 15:15   プレコンサート15:30 /プレトーク15:45
開演 16:00
出演者 飯森範親(指揮)
本條秀慈郎(三味線)
いずみシンフォニエッタ大阪
演奏曲目 B.ブリテン:シンプル・シンフォニー op.4
冷水乃栄流:室内オーケストラのための 「ハルシネーション」(関西出身若手作曲家委嘱プロジェクト第9弾)
一柳 慧:室内交響曲「タイム・カレント」
藤倉 大:三味線協奏曲 (Ensemble Ver.)
料金 一般¥5,500
U-30¥1,000
フレンズ¥4,950
発売日 フレンズ:2023年9月29日(金)10:30 / 一般:2023年10月7日(土)10:30
お問合わせ 住友生命いずみホールチケットセンター 06-6944-1188

〈和〉を超えて、自由自在な旅へ!大阪と世界をつなぐ、最もエキサイティングな室内オーケストラ未知の音世界をゆく現代音楽の面白さを生き生きと響かせるいずみシンフォニエッタ大阪。51回目の定期演奏会は《和洋感応》と題して、オーケストラと邦楽器の出逢いを(も!)お楽しみいただきます。大人気の三味線奏者・本條秀慈郎をゲストに迎えてお届けする〈三味線協奏曲〉は、今もっとも面白い現代作曲家のひとり、世界中から新作を求める声が絶えない藤倉大(1977~)の近作(2018/19年)。次々に生み出される彼の音楽は、独奏曲からオペラまで、なにしろ聴き手の心をかきたてる不思議でカラフルな力に満ちています。今回のコンチェルトも、三味線という楽器の持ち味を充分に生かしながら、独特の音の歪みからロックのエレキギターを思わせるような豪放自在な表現まで引き出し、それがオーケストラ全体にも感応してゆき・・・・と、興奮必至の快作。インスピレーションの基ともなった初演者で、現代の新たな三味線表現を開拓する本條秀慈郎のソロと共に、ホールが〈和〉を超えた新たな時空に変わります!

藤倉大は高校時代からロンドンに留学、英国から世界の覇者となった作曲家ですが、もともとは摂津市生まれ(演奏会の前に、むちゃくちゃに面白い自伝『どうしてこうなっちゃったか』幻冬舎]をお読みいただくと<三味線協奏曲〉のお話も出てきます)。大阪が生んだ世界的作曲家というわけですが・・次回定期では、おなじみ〈関西出身若手作曲家委嘱プロジェクト〉第9弾として、和歌山生まれの冷水乃栄流(ひやみずのえる/1997~)の新作が世界初演されます。東京藝大在学中のオーケストラ曲がサントリー作曲賞の最終候補/聴衆賞を獲得するなど脚光を浴びてきた彼は、邦楽器にも詳しく、箏や尺八のための作品でも強い支持を集めてきた新鋭です。しかし今回は邦楽器を用いず、〈和〉を超えて自在な音を紡いできた彼だからこその新たな時空を拓きます。題して《ハルシネーション》。「幻覚」を意味するタイトルは、昨今では人工知能(AI)が事実に基づかない情報を生み出してゆく現象も指す言葉ですが、さてどんな作品に・・・・?

そして、先年亡くなったばかりの巨匠・一柳慧(1933~2022)を悼んで、室内交響曲《タイム・カレント》(1986年)を併せて。神戸市生まれ、若くしてアメリカへ留学してジョン・ケージなど50年代の大胆な前衛芸術を肌で感じながら才能を研ぎ、帰国後は日本の前衛音楽をリードする存在となった一柳。彼は80年代から、邦楽器や日本音楽の持つ特質が、西洋音楽の常識を覆す凄い力を秘めていることに触発されて、作風も大きく変えてゆきます(そういう意味でも、今回のテーマにもふさわしい作曲家です)。そんな頃、もともと音楽における〈時間〉と〈空間〉に深い興味を抱いていた一柳が書いた《タイム・カレント》は、各楽器がまったく異なる時間軸で演奏を始める冒頭から、自在な時間感覚と緻密な表現とが昇華され・・・・澄んだ奥行きの向こうに新たな音世界を拓いた作品です。これはぜひ生で体感してください!

そして、20世紀英国の巨匠ブリテン《シンプル・シンフォニー》(1934年)も。少年時代の習作をもとに、親しみやすく愉しい弦楽合奏曲に仕上げた、天才の素敵な若書きですが・・・・ブリテンは戦後、日本を訪れた折に観た能《隅田川》に深く感銘を抱き、翻案したオペラ《カーリュー・リヴァー》を書いたほど<和>との繋がりを持つひと。彼の若書きは骨の髄まで英国ですけれど、今回の選曲には不思議に遠いご縁のある人というわけです。発見と驚きに満ちた一日を、ぜひご一緒に!

山野雄大[ライター(音楽・舞踊評論)]

ユースシートにご招待(限定数・先着順)

この公演に小学生から18歳以下の方をご招待します。住友生命いずみホールで音楽を聴いてみませんか。

《対象》小学生以上 18歳以下(公演当日、氏名・年齢を確認できるものをご持参ください)
《申込開始》一般発売日(10/7)10:30よりメールで受付
《締め切り》公演前日の17時まで(定員に達した時点で締め切り)

ユースシートについての詳細、申込方法等はこちらのユースシートのページをご覧ください。

【限定数/先着】U-30チケットでお得に!

30歳以下のお客様へ特別価格、U-30チケットをご用意いたしました。
U-30チケットはオンライン・チケットサービスのみでの販売です。ご購入方法や条件など詳細は【こちらのページ】も併せてご覧ください。

□当日、生年月日を確認できる証明書を必ずご持参ください。お忘れの場合追加料金が発生します。ご了承ください。
□オンライン・チケットサービス限定販売です。予定枚数に達した時点で販売終了いたします。
□窓口販売・電話予約の受付はございません。
□小学生以上、公演開催月に31歳の誕生日を迎えられる方までが対象です。

出演者プロフィール

  • 飯森範親 (指揮)  Norichika limori

    桐朋学園大学指揮科卒業。いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者。ベルリン、ミュンヘンで研鑚を積み、これまでにフランクフルト放送響、ケルン放送響、チェコ・フィル、モスクワ放送響等に客演。01年、ドイツ・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団音楽総監督(GMD)に着任し、ベートーヴェンの交響曲全集を録音するとともに、日本ツアーを成功に導いた。国内では94年以来、東京交響楽団と密接な関係を続け、専属指揮者、正指揮者、特別客演指揮者を歴任。03年、NHK交響楽団定期演奏会にマーラーの交響曲第1番でデビュー。06年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞、07年より山形交響楽団音楽監督に就任し、そのエネルギッシュな活動は高い評価を受けている。現在、パシフィックフィルハーモニア東京音楽監督、日本センチュリー交響楽団首席指揮者、山形交響楽団桂冠指揮者、東京佼成ウインドオーケストラ首席客演指揮者、中部フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者。2023年4月より群馬交響楽団常任指揮者に就任。
    オフィシャル・ホームページ http://iimori-norichika.com/

  • 本條秀慈郎(三味線) Hidejiro Honjoh

    本條秀太郎に師事。演出家蜷川幸雄らが演奏を高く評価。桐朋学園短期大学部卒、杵屋勝芳壽に師事。2016年ACCフェロー受給によりNYに留学。17年文化庁文化交流使として各国30公演。19年ロンドンウィグモアホールリサイタル。藤倉大作曲三味線協奏曲をニューヨークにて世界初演、20年大野和士指揮のもと東京都交響楽団との共演で日本初演。国内外オーケストラやアンサンブルと共演。
    坂本龍一と三度共演。高橋悠治作品による連続リサイタルにて第72回芸術選奨文部科学大臣新人賞。第70回文化庁芸術祭新人賞、第25回出光音楽賞、第27回京都青山音楽賞青山賞、第12回宇都宮エスペール賞、第12回創造する伝統賞など受賞。22年ジョン・ケージらも務めたアメリカU.CDAVISのアーティスト・イン・レジデンスに選出。

  • 冷水乃栄流(作曲)Noel Hiyamizu

    1997年和歌山県生まれ。東京藝術大学修士課程作曲専攻修了。
    修士(音楽)。これまでに作曲を森川隆之、鈴木純明の両氏に師事。第30回芥川也寸志サントリー作曲賞最終候補/聴衆賞、第89回日本音楽コンクール作曲部門2位(オーケストラ)などを受賞。2021年和歌山県橋本市文化奨励賞受賞、2022年和歌山県文化奨励賞受賞。ANAグループ『AirJapan』Boarding Musicに作品が採用される。NHK「にっぽんの芸能」にて箏合奏曲《脆性ノスタルジア》が演奏されるなど、邦楽器を用いた作品が注目を集めている。現在、昭和音楽大学・同短期大学非常勤講師。

いずみシンフォニエッタ大阪

いずみシンフォニエッタ大阪

音楽監督:西村 朗/常任指揮者:飯森 範親
プログラム・アドバイザー:川島素晴/ソロ・コンサートマスター:小栗まち絵
現代音楽の演奏を主目的とする、住友生命いずみホールのレジデント・オーケストラ。
大阪出身の作曲家・西村 朗の提唱により2000年に結成。以来、同ホールでの定期演奏会を主な活動とし、新作の初演をはじめとする近現代作品を中心に、古典派の作品もプログラムに組み、レパートリーを拡大している。核となる編成は1管編成の室内オーケストラで、曲目に応じて変動する。メンバーは、関西在住または出身など、地元にゆかりの演奏家で構成されている。平成13年度大阪舞台芸術賞受賞。
CD「西村朗:室内交響曲集<メタモルフォーシス>」(カメラータ)の演奏は好評を博し、2005年度芸術祭優秀賞を受賞した。2005年、2008年と紀尾井ホールにて東京公演を開催し、好評を博した。

【第51回定期演奏会の出演予定者】

●ヴァイオリン:小栗まち絵、池川章子、永ノ尾文江、大谷玲子、佐藤一紀、島田真千子、釋 伸司、田辺良子、谷本華子
●ヴィオラ:竹内晴夫、林のぞみ、馬渕昌子 ●チェロ:林 裕、丸山泰雄 ●コントラバス:黒川冬貴
●フルート:安藤史子 ●オーボエ:古部賢一 ●クラリネット:上田 希 ●ファゴット:東口泰之
●ホルン:水無瀬一成、小曲善子 ●トランペット:菊本和昭 ●トロンボーン:呉 信一
●打楽器:森本瑞生、沓野勢津子 ●ハープ:篠﨑和子 ●ピアノ:稲垣 聡

主催

住友生命いずみホール〔一般財団法人 住友生命福祉文化財団〕

助成

文化庁文化芸術振興費補助金
劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化)
独立行政法人日本芸術文化振興会

助成

大阪市助成公演

助成

公益財団法人 花王 芸術・科学財団

花王芸術科学財団
助成

野村財団

野村財団
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