日韓フレンドシップコンサート
澤 和樹&ヤン・ソンウォン
<出会いから30年 韓国文化体育観光部長官賞受賞記念>

※画像をクリックしていただくと、拡大でご覧いただけます。

日時 2023年8月30日(水)
開場 18:30
開演 19:00
出演者 澤 和樹(ヴァイオリン / ヴィオラ)
ヤン・ソンウォン(チェロ)
キム・ウンシク(ヴァイオリン)
蓼沼恵美子(ピアノ)
演奏曲目 モーツァルト:《ピアノ四重奏曲第2番》 変ホ長調 K.493
コダーイ : 《ヴァイオリンとチェロための二重奏曲》 作品7
ベートーヴェン : 《ピアノ三重奏曲第7番》 変ロ長調 作品97 『大公』
料金 一般 ¥4,000
学生 ¥2,000
フレンズ ¥3,600
発売日 フレンズ:2023年5月26日(金)10:30 / 一般:2023年6月2日(金)10:30
お問合わせ 住友生命いずみホールチケットセンター 06-6944-1188

ヤン・ソンウォンとの出会いから30年を記念して

1993年の夏、アメリカのピアニスト、アルバート・ロトさんの紹介で初来日したチェリスト、ヤン・ソンウォン。京都の音楽プロデューサー、朝倉泰子さんのお誘いで、当時、私の生徒だった田中景子さんを加えた室内楽で共演したのが彼との出会いだった。まだ20代だった彼は、素晴らしいチェロの腕前もさることながら、若者らしい奔放で豪快な振る舞いの中にも、エレガントで常に他人への気配りを忘れない優しさに溢れ、その人間性にたちまち惹き付けられた。指揮者のチョン・ミョンフンやヴァイオリンのチョン・キョンファ、名教師として名高いキム・ナムユンらを育て、韓国のクラシック界の父と讃えられ、外交官でもあった父親とともに幼少期をパリで過ごし、後にアメリカで教育を受けた真の国際人だ。私が長年、ミュージックアドヴァイザーを務める北九州の響ホール室内合奏団にはたびたび客演、彼の招きで合奏団の韓国演奏旅行も実現し、とりわけ2011年のソウル「芸術の殿堂」のIBKチェンバーホールの杮落としコンサートは忘れられない。(写真提供:アサクラビルコンサート企画)演奏家として多忙を極める中でも後進の指導にも熱心で、名門、延世(ヨンセイ)大学校の音楽学部と東京藝大音楽学部の交流事業は、彼の呼び掛けで始まり、コロナ前は活発に教員や学生同士の交流が行われた。こうした韓国での共演や藝大と延世の日韓芸術・教育交流の成果が認められ、今年2月に私が韓国文化体育観光部長官賞を受賞するという栄誉に浴したが、これもソンウォンとの出会いがなければ起こり得なかった。彼との出会いから30年、世界の名門ホールの常連となり、超一流のアーティストとの共演を果たすキャリアを築いた今も、変わらず家族ぐるみの交流を続けてくれている。ヴァイオリニストのキム・ウンシク、ピアノの蓼沼恵美子も加わり、ようやくコロナ禍が収束し、冷え込んでいた日韓関係も雪融けムードとなり、これを機に音楽の力で両国の相互理解が益々深まる事を期待したい。(澤和樹)

出演者プロフィール

  • 澤 和樹(ヴァイオリン/ヴィオラ) Kazuki Sawa

    1979年、東京藝術大学大学院修了。「安宅賞」受賞。ロン=ティボー、ヴィエニアフスキ、ミュンヘンなどの国際コンクールに入賞。イザイ・メダル、ボルドー音楽祭金メダル受賞などヴァイオリニストとして国際的に活躍。'80年より文化庁在外研修員としてロンドンに派遣され、ジョージ・パウク、ベラ・カトーナ両氏に師事。'84年に東京藝大に迎えられるとともに本格的な演奏活動を開始。'90年、アマデウス弦楽四重奏団メンバーとの出会いにより澤クヮルテットの結成を決意する。'96年より指揮活動を開始。九州交響楽団、東京フィル、日本フィル、札幌交響楽団、大阪交響楽団、紀尾井ホール室内管弦楽団等にも客演し好評を博す。ヴィオラ奏者としては、これまでアマデウスQメンバー、グスタフ・マーラーQ、クスQらと共演。ヘンシェルQとは2008年にマックス・ブルッフの弦楽五重奏曲の世界初演及び世界初録音を、'12年にはスペイン王室所蔵のストラディヴァリウスによる弦楽五重奏を演奏し絶賛された。東京藝術大学音楽学部教授、音楽学部長を経て2016年より'22年まで東京藝術大学長。'23年、韓国文化体育観光部長官賞受賞。現在、東京藝術大学および英国王立音楽院名誉教授。東京大学先端科学技術研究センター・フェロー。響ホール室内合奏団ミュージック・アドヴァイザー。

  • ヤン・ソンウォン(チェロ) Sung-Won Yang

    パリ国立高等音楽院を卒業し、米国のインディアナ大学でヤーノシュ・シュタルケルの助手を務めた。ソリストおよび室内楽奏者としての活動は世界各地の主要コンサートホールに及び、クリストフ・エッシェンバッハ、チョン・ミョンフン、ペーター・エトヴェシュなどの著名指揮者との共演も多い。韓国EMIの専属アーティストとして多くの録音を残すほか、ユニバーサル/デッカからのチェコフィルとの共演によるドヴォルザークの協奏曲、オランダの「エジソン賞」に輝いたコダーイ作品による録音、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲、ベートーヴェンのチェロとピアノのためのソナタと変奏曲全集など音楽愛好家や批評家から大きな反響と高い評価を受けている。ロンドン交響楽団との共演によるエルガーとシューマンのチェロ協奏曲もリリースが予定されている。カナダのバンフ弦楽四重奏国際コンクール、フランスのアンドレ・ナヴァラ国際チェロコンクール、カサド・ジャパン国際チェロコンクール、韓国のトンヨン国際コンクールなどの審査員を歴任。フランス政府より芸術文化勲章を受賞し、現在、ソウルの延世大学校音楽学部教授、英国王立音楽院客員教授、フランスのボーヌ・ベートーヴェン音楽祭、韓国のピョンチャン音楽祭の芸術監督を務める。

  • キム・ウンシク(ヴァイオリン) Eun-Shik Kim

    ソウル国立大学音楽学部を優秀な成績で卒業し、イェール大学音楽学部で修士号を取得、ハーグ王立音楽院でアーティスト・ディプロマを取得した。ソロおよび室内楽奏者として韓国各地で演奏し、ヨーロッパのさまざまな音楽祭にも招聘されている。オリヴィエ・シャルリエ、エマニュエル・シュトロッセロマン・ギュイオ、カン・ドンスクなどの国際的アーティストと共演。また、ソリストとして響ホール室内合奏団、韓国交響楽団、ソウル交響楽団、釜山シンフォニエッタ等と共演している。室内楽奏者としてもバロックから現代に至る幅広いレパートリーで多くのコンサートを行い、若手作曲家作品の初演にも参画している。2017年よりバロック・ヴァイオリニストとしてイタリア各地の音楽祭に参加。フランス、ベルギー、オランダでも活躍し、現在はアルテ・ムジークソウルのコンサートミストレスとして、ベルギーのイル・ガルデリーノと定期的に共演し、寺神戸亮、ヤン・デウィン、オーレリアン・ドラージュ、ペーター・ファン・ヘイゲンなどのアーティストとも共演している。彼女は、コリア・フェスティバルアンサンブル、ソウル・バロックアンサンブルのメンバーであり、ウーリムとペオジムの芸術監督も務めている。

  • 蓼沼恵美子(ピアノ) Emiko Tadenuma

    東京藝術大学附属音楽高校を経て、同大学を首席卒業。「安宅賞」受賞。同大学院修了後、ロンドンにてマリア・クルチョ女史に師事。1983年、ミュンヘン国際コンクール、ヴァイオリン・ピアノ二重奏部門にてヴァイオリンの澤和樹と共に第3位入賞。'84年、東京にてソロデビューリサイタルを開催し、本格的な演奏活動を開始する。これまでに、国内外の著名アーティストとも多数共演、高い信頼を得ている。2004年には、妹、蓼沼明美とピアノデュオによるリサイタルを開催し、CD「姉妹デュオによる珠玉の連弾」、'11年、ヘンシェル弦楽四重奏団とのCD「シューマン&ブラームスのピアノ五重奏曲」はいずれも音楽誌上で高い評価を受ける。澤和樹とのデュオ活動は45年以上におよび、フィンランドのクフモ、サヴォンリンナ、イギリスの湖水地方、アメリカのボウドイン、アイルランドのウェスト・コークなど、国内外の音楽祭に招聘される。'06年の「ベートーヴェン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ全曲チクルス」は国内各地、イギリスでも成功を収めた。また、'14~15年の「シューベルト、シューマン、ブラームスをうたう」シリーズのライヴCDは、いずれも「レコード芸術」特選盤として紹介されている。現在、洗足学園音楽大学、桐朋学園芸術短期大学講師。

主催

日韓フレンドシップコンサート実行委員会

共催

住友生命いずみホール〔一般財団法人 住友生命福祉文化財団〕

後援

駐大阪韓国文化院

マネジメント

モーツァルト・サロン

一覧に戻る